1-5.電気理論の基礎

2019年5月29日

電気に関して必ず理解しておくべき基礎的な内容を以下に説明します。

電流

電流は自由電子がマイナス極からプラス極に移動する流れのことを言います。電流には以下の2種類があります。

(1)直流(DC: Direct Current)
時間に対して電気が流れる量(大きさ)は変化しても、方向(正負)が変化しない電流のことを言います。乾電池などが直流になります。また、今回利用するArduinoなど多くのマイコンは直流で動作します。

(2)交流(AC: Alternating Current)
時間に対して、電気が流れる量(大きさ)や方向(正負)が変化しない電流のことを言います。家庭のコンセントなどは交流になります。

電圧

電圧は2点間の電位の差で、電流を流そうとする圧力のようなもののことです。よく例えられるように、高いところから低いところへ水が流れるように、電位の高いところから低いところへ電気が流れます(下図参照)。

オームの法則

電流、電圧、抵抗の関係の法則を表すのがオームの法則です。必ず必要な法則ですので、覚えておきましょう。
電流をI、電圧をV、抵抗をRとした場合に次の式で表されます。

V(電圧) = I(電流) × R(抵抗)

(1)直列回路
直列回路の場合、電流は一定ですが電圧が分割されます。水の流れと同じで直列に接続された水路に水が流れても、どの水路も水量は同じです。電流が一定ですので、抵抗の大きいところに大きな電圧(V=I×RのためIが一定だとRに比例します)が流れます。

(2)並列回路
並列回路は電流の流れる道が分かれますので電流も分割して個々の抵抗を流れます。逆に電圧は分かれても均等にかかります。各々に流れる電流は抵抗の大きさに比例して多く流れます(I=R/Vのため、Vが一定だとRの大きさに比例します)。

【抵抗の計算】

発光LEDを点灯させる場合、抵抗R1の値を計算します。
計算する条件は以下となります。

《条件》
・電源電圧:DC5V
・LED順電圧VF:3.4V
・LED順電流IF: 50mA

【計算】
直列接続回路のため回路全体の電流がLEDに流れる電流になります。また、LEDの電圧はほぼ変化しないため一定と考えて計算できます。
電圧は直列回路の場合に流れる素子で分圧されるため、抵抗R1電圧とLED電圧の合計が電源電圧となります。

電源電圧 = R1電圧 + 発光LED電圧
このため、R1の電圧は5V – 3.4V = 1.6Vとなる。電流は直列回路で全ての素子で同じなので、R=V/Iなので
  R1 = 1.6V / 0.05A = 32Ω
となり、抵抗R1は32Ωを接続します。