2-5.イーサネットとMACアドレス
イーサネットとMACアドレスについて
通常、インターネットではIPアドレスとは関係なく「イーサネット(Ethernet)」という伝送方式の規格を利用しています。これは電話システムでいうと電話番号とは関係なく固定電話方式や携帯電話方式など色々な伝送方式があるのと同じと理解してください。
イーサネットの場合、データパケットにはIPアドレスとMACアドレス(Media Access Control address)の2種類の送信元と宛先を付与して通信しています。MACアドレスはハードウェアに関するアドレスで各端末のイーサネット端子に付与されたアドレスですので、端子毎に異なるアドレスがあります。
送信端末は基本的に通信する場合に宛先MACアドレスを把握する必要があります。このため、宛先IPアドレスからMACアドレスを取得する規定をARPと言います。
送信元端末はサブネット範囲内について一致する場合、つまり同じネットワーク内の場合は宛先端末のIPアドレスから宛先MACアドレスを解決しパケットに付与しています。サブネット範囲外、つまりインターネットに通信する場合にはデフォルトゲートウェイのMACアドレスをARPで解決しパケットを送信しています。
ARPプロトコルによるMACアドレス解決方法は送信元端末からネットワーク内全ての端末に誰がこのIPアドレスを持っているか問い合わせし、該当のIPアドレス端末が応答することにより解決しています。
ネットワーク内はMACアドレスを宛先に処理するため、スイッチングハブはポート毎にどのMACアドレスがつながっているかを把握し不要なデータを関係ないポートに送信しないことで効率的な伝送を実現しています。また、このような仕組みのため、データパケットはルータを中継する毎にMACアドレスは付け替えられ新しいルータ(or端末)の宛先MACアドレスとなります。
Windows端末のコマンドプロンプトやMac端末のターミナルで「arp -a」とコマンドを打つと以下のような画面が見られます。「00-3a-9d-9d-f0-8a」と表示されているのがMACアドレスになります。